労働問題解決の手引 鳳法律事務所

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不当な解雇、長時間労働、理不尽なパワハラ… 解雇の無効化や残業代、損害賠償の請求ができる場合があります。自分に多少落ち度があると思う場合でも、諦めたり、泣き寝入りせず、一度ご相談ください。

裁判の手続上、残業代を請求する労働者の側において、労働時間を立証しなければならない。この証拠は、使用者が否定できないような客観的な証拠である必要がある。

1.タイムカード

 タイムカードによる労働時間の認定は最もポピュラーと言って良い。しかし、職場にタイムカードがあっても、時間管理では無く単に出退勤管理のために使用されていたとして、実労働時間を認定しない例もある(大阪地裁平成元年4月20日判決等)

2.メールの送信記録

 会社で使用していた原告のパソコンからの送信記録を元に労働時間を認定した例がある(東京地方裁判所平成20年9月30日判決)。

3.日報

 タイムカードが無い場合や、あっても記載漏れなどがある場合、業務日報等を元に実労働時間を立証することがある。

大阪高裁昭和63年9月29日判決

タクシー会社が従業員の勤務開始及び終了時刻すら把握しておらず、運行記録計の装着もさせていなかった事案。判決は、運転報告書の記載からして、タクシー運転手らが一日につき少なくとも10.2時間の労働に従事していたと推計した。

4.メモ

労働者個人が作成していたメモも重要な証拠となり得る。

大阪地裁平成26年10月22日判決

工業用ゴム製品・合成樹脂製品の販売等を業とする会社に勤務していた従業員が、残業代を請求した事案。会社側がタイムカード等による出退勤管理を全くしていなかったため、労働時間を証明する客観的な証拠が無かった。
判決は、会社が労働時間の管理をしていなかったことは会社側の責任なのだから、これをもって労働者に不利益に扱うべきではなく、具体的な終業時刻や従事していた勤務の内容が明らかで無いことをもって、時間外労働の立証が全くされてないとして扱うのは相当でないとした。
そして、判決は、提出された全証拠から総合判断して、ある程度概括的に労働時間を推認する他ないとして、平日は平均して午後9時まで労働していたと認定した。その証拠中に、労働者の妻が夫の帰宅時間を記録していたノートがあった。このノートだけをもって労働時間が認定されたわけでは無いが、判断要素のひとつとなったことは明らか。

5.シフト表

岡山地裁平成19年3月27日判決

ホテルの料理長として勤務していた労働者が残業代を請求した事案。会社側は、以前はタイムカードによって労働時間を管理していたものの、労基署から残業代不払いについて是正勧告を受けた後タイムカードを廃止してしまっていた。
判決は、労働者が作成していたシフト表を元に労働時間を認定した。なお、これ以外に労働者の手帳や、労働者が専務に当てて書いた残業代の支払いを求める書面も証拠として提出されたが、それらは信用性が無いとされた。その理由はシフト表との齟齬が大きかったため。

6.手帳とICカード

東京地裁平成23年12月27日判決

外国法人に入社し、取引先銀行に出向して勤務していた労働者が、残業代を請求した事案。労働者の労働時間を証明するものとして、出退勤時刻を記載していた手帳と、ICカード(スイカ)があった。
判決は、手帳の記載内容について、スイカ利用明細の記載などによって客観的な裏付けが得られる範囲においては、十分にその信用性を肯定できるとした。

7.パソコンの立ち上げ、立ち下げ記録

東京地裁平成18年11月10日判決

会社に「パートナー」として雇用された労働者が残業代等を請求した事案。会社は労働者の出退勤時間を管理していなかった。労働者は、自分の手帳を元に労働時間を主張したが、これに対し、会社側がパソコンの立ち上げ、立ち下げ記録のログデータを提出して労働時間を争った。
判決は、労働時間の認定に当たって、まずログデータを利用して認定し、足りないところを労働者の手帳で補完し、さらに資料の無いところは実績のある数字から推認する、という方法で労働時間を認定した。

8.立証の程度について

1日毎の具体的労働時間の立証が原則。しかし、当該職場の労働実態が相応に立証できれば、概括的に労働時間が認定されている例がある。

大阪高裁平成12年6月30日

タイムカードの一部が存在せず、また存在するタイムカードの一部が記載されていなかった事案。判決は、タイムカードの記載が無いので正確な時間を把握できないという理由のみから全面的に割増賃金を否定することは不公平であるとした。そして、諸事情を総合考慮し、タイムカードの記載の無い部分につき、労働者が主張する時間の2分の1について労働したと推計した。

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